ティカルに佇む


明くる8日、早朝5時にホテルを出発し、tikal(ティカル遺跡)へと向かった。件のイタリア人カップルや一緒に国境を越えたノルウェー人も一緒で、眠い眠いと愚痴りながら結局皆すぐに眠り始め笑、あっと言う間にティカルへと到着した。


この旅では色々な遺跡を見てきたが、やはりティカルが一番印象に残っている。規模もさることながら、ピラミッドが綺麗だった。朝日をバックにしたⅠ号神殿の出立ちは忘れられない。



同様に忘れられないのが、遺跡群の一番奥にそびえるⅣ号神殿と、そこからの眺めである。70メートルもあるこのピラミッドを登り切った先に見えるのは、ジャングルの海の中に浮かぶティカルの遺跡群である。70メートルを登った直後ということもあり、頂上に着き腰を下ろし、しばらく呆然と深い緑の海を眺めていた。しばらくすると、守衛の男性が声をかけてきた。アジア人が口を空けて佇む姿が不思議だったのだろうか笑。というのは冗談で、ただ単に興味本位で話しかけてきてくれたらしい。もの凄くおっとりした口調の彼の名はホセといい、その後数十分は二人で雑談していた。フローレスの惨状を逐一話すと、今夜はティカルに泊まっていけ、何だったらシャワーだけでも浴びていけ、安い値段で済むはずだから、と言ってくれた。本気で泊まりたかったが、荷物を置いてきているのでそれは無理だった。しかし、ホセの気遣いは非常にありがたかった。



その後、ティカルの中を歩き回っているうちに、その日の夜に予定していたグアテマラシティ行きはやめようと考え直した。いくらフローレスが嫌だといっても、流石に夜の移動は危険すぎる。そしてそう決めてしまったら、もうこれ以上南下し続ける気もあまりなくなっていった。今回のグアテマラ滞在はあまり良いものではなかったが、いつかまた(フローレスを経由しないルートで)来よう、そう思ったのだった(ティカルにはまた是非行きたい)。


ティカルを後にしてフローレスへと戻った後に、前日よりも数段良さそうなホテルへと宿を変え*1、前日に購入したチケットのキャンセルとベリーズ国境の町までのバスのチケットを購入するためにバスターミナルへと向かった(「地球の歩き方」には載っていなかったが、新しいターミナルができていた)。が、キャンセルはできず、またベリーズ国境までのバスも後に大幅にぼったくられていたことが判明し、最後の最後まで釈然としないフローレス滞在となった*2。繰り返しになるが、グアテマラを満喫するのはまた今度の機会に持ち越し、ということだ。


(写真はフローレスでかなりお世話になったバイクタクシー)


*1:上述の如くルートを大幅に変えたので、資金的に余裕があった。と言うかこの後も一日のホテル代の上限を150ペソぐらいにまで上げたので、ちょっとだけブルジョワ路線へとシフトチェンジした、と言ってもバックパッカーの目線でのブルジョワ路線だが笑。

*2:しかし、勿論良い人々に出会えたことも事実だ。2日目のホテルの従業員の男性、洗濯屋のおばあちゃん、ホセ、国境に向かうバスの中で私がぼったくられたことに憤慨してくれたティカルの管理の仕事をしている男性、同じく同じバスになった音楽家の方等がそうだ。