場数


ステイ先の近くにある眼科専門の病院はかなり有名らしく、学生や医師が国内外から多く訪れるそうだ。隣の部屋に住むガヴィもベネズエラからの留学生だし、コロンビアやアルゼンチン等のラテンアメリカ諸国を始め、ヨーロッパ等からも遥々海を越えて学びに来る眼科医の方々が後を絶たないそうだ。ここ二ヶ月の間だけでも、試験を受けにベネズエラから数人、講演のためにイタリアから一人、我が家に滞在した。明日の早朝にベネズエラに帰るマウラは以前その病院の下見か何かのために滞在し、今回は試験を受けに来て、見事合格したそうで数ヵ月後からは一つ屋根の下で暮らすことになるそうだ。


地域ごとにかなりスペイン語の発音が異なることはこれまでも折に触れて書いてきた。ベネズエラやコロンビアの方々の発音はメキシコの方々のそれと大きく異なる。テレビでよく聞くアルゼンチンの方々の発音に近い(ガヴィもマウラもsはこれでもかという程省略する)。講演のために来たイタリア人の方(名前失念…)はスペイン語は話せなかったが、スペイン語とイタリア語は一つの言語の方言とも言える間柄なので、お互いに意思の疎通はできた*1


メキシコのスペイン語は、語彙は多少独特だが発音はそれ程癖はないので到着当初でも比較的聞きやすかったが、ベネズエラやコロンビアの発音に初めはもの凄く戸惑った。しかし同じ家に住み、顔を合わせているうちに、大した努力をしなくとも自然と慣れていった。まだまだ慣れきったとは言えないが、話しながら「相変わらずかなり省略してるな〜」等と思えるようにはなった。イタリア人の方と話した時もそれ程苦労はしなかったし(アルゼンチンの方と話しているのに近かった)、マウラが初めて来た時も案外スムーズに会話が進んだように記憶している。


先日入院した際も、症状を説明したり、処置についての説明を受けたりするのに、言葉の面でそれ程苦労はしなかった。自分の体のことなので尚更だったのかもしれないが、それでも後からそう言えばあんまり苦労しなかったなぁ等と思い出すくらい、あっさり事が運んだ。


繰り返すが努力らしい努力もしていない私ですらこう思うのである。もっともっと頑張ってらっしゃる方々は更に劇的に語学力が伸びているのではないだろうか(見習え、と言われそう笑)。そういった方々のケースでは努力が占めるウェイトも大きいだろうが、それでもやはり場数や慣れというファクターの重要性は否定できないだろう。外国に暮らすには当然その国の言葉を使わなければならない。語学を身につけたいのならばその国に住めということはよく聞くが、全くその通りだと思う。


ふと思っただけなので話のオチはない笑。もっとも、こんなことを書いてはみたものの私自身の場数だって大したことはないはずなので、もっともっと色々な経験をしてスペイン語を磨かねばならないことは今更言うまでもない。旅行もその場数の一つになるに違いない、って今は何を言っても結局はその話題に戻ってしまうのである笑。


中米〈2003~2004年版〉 (地球の歩き方)

中米〈2003~2004年版〉 (地球の歩き方)

*1:彼が到着した日はちょうど冷蔵庫の中が寂しい日で、夕飯は幾つか残っていた卵を使ってカルボナーラにしたのだが、運悪く作り始めた頃に彼が到着してしまい、本場のイタリア人の前でパスタを作るというできれば避けたい事態を招いてしまった笑。「ジャポネーゼの料理?」と聞かれ、「いや、カルボナーラ…」と答えるのには中々勇気がいったが、逆にイタリアンを作る日本人ということで珍しがられた。味見だけは絶っっっ対にさせなかったが笑。