プレゼンを終えて


先週の金曜(7日)に、colmexでの前期の課題であったプレゼンが終わった。


プレゼンのテーマはインフォーマルセクターについてであったが、当初のプランよりも大幅にスケールダウンしたもので、自分としても当初からあまり納得のいかないものではあった。簡単に内容をまとめると以下の様になる。インフォーマルセクターの増大という現象は今まで途上国に固有のもので、経済発展の過程で縮小していくものと考えられてきたが、メキシコでは近年においてもその増加が見られている。その要因として、サスキア・サッセン「The New Inequalities within Cities」(邦題「都市に内在する新たな不平等」)という論文を手がかりに、グローバリゼーションとの関係を考える。そしてインフォーマルセクターの問題群の中でも特に貧困に注目し、アマルティア・センの「ケイパビリティ」論に触れながらインフォーマルセクターと貧困という問題へのアプローチを考える。具体的には教育の充実という点を挙げ、教育の限界収益率、つまりは教育が労働に与える効果を根拠に、教育環境の重要性を指摘する。


自分としては持論を全面に押し出した、もっと「攻め」のプレゼンにするつもりだったが、完全に「守り」のそれになってしまった。これはやはり基本的に勉強量が足りないからなのだと思う。当初は以上のものにインフォーマルセクター研究と開発理論の展開、両者の関係性、といったものも含めようと思っていた(というか既にスペイン語で該当箇所を書いていた泣)のだが、やはり勉強不足のため繋がりがクリアでなかったために泣く泣く割愛し、全体の構成もちょっと変え、以上の様なものに仕上がったのだった。


実際にクラスで発表するのは結構緊張したが、大きなアクシデントもなく終えることができた(原稿をほぼそのまま読んだという点はご愛嬌、ということで笑)。その日の発表者(三人)のプレゼンが全て終わった後に行われた質問タイムもいつも以上に盛り上がった(が、三人に対する質問に対し、私が必死で考えていたにもかかわらず、おそらくはどうせ答えられないだろうとでも思われたのだろうか笑、私以外の二人が終わった時点で次の質問者がもう話し出す、という事態が数回あった。何とか質問者を制止し答えたりもしたが、何だかなぁというカンジだった笑)。講義の終わりには先生から選択した文献についてと他のクラスメイトとは違った視点から問題を捉えていることの二点について褒められ、また後日送られてきたメールでは評価できるポイントと問題点が簡潔に記されてあり、8.8点(おそらく10点満点)という評価を頂いた。これは明らかに「日本人という割引」があったのだろうが、それにしても(決して満足できなかったにせよ)それなりに力を入れたプレゼンだったので、やはり嬉しい。


本当に学ぶところが多かったプレゼンだった。年末から続いていたストレスの種が消え、楽になるだろう―と思っていたがそれは違かった。