死者の日の思い出―その三

ギネス



ペセロとメトロを乗り継いで、UNAM(メキシコ国立自治大学)へと到着した。日はとうの昔に落ち、多少冷え込みさえしていた。高度2000メートル弱のメキシコシティは、日が出ている間は11月でも半袖で過ごせるのだが、日が落ちると一気に冷え出す。真昼間に家を出た面倒臭がりな私は勿論羽織るものも持っておらず、寒さの中UNAM構内を歩くことになった。


聞けば今回、UNAMの中でofrenda(オフレンダ、祭壇)のギネス記録に挑戦しているものがあるという。そこは週に一度のintercambio(語学交換)に向かう際にいつも通っているところであった(何分UNAMの学生ではないため、そこが何学部の建物なのかは分からない)。普段とは全く違う雰囲気を醸し出すofrendaをしばし眺めた後、その奥にある広場へと歩を進める。


そこではUNAMの各学部及びCCH(付属の高校)等の付属機関が提供したofrendaが大きな円を描く様に並べられていた。各学部・機関毎に何らかの色が出ていて興味深かった。


結局11時過ぎまでofrendaを見て回っていたが、やはり寒さには参ってしまった。21歳になってもバカはバカのままだ、と帰り道を一人で歩きながらしみじみ思った。


翌11月2日。早起きして郊外にある遺跡でも見に行こうかと思ったのだが、案の定寝坊。特にすることもなく、近所のコヨアカンのセントロ付近で食事をし、カフェで読書、という普段と何も変わらない一日を過ごしてしまった。ある意味二日間のバランスが取れている、とも言えよう笑。