死者の日の思い出―その二

船首



美術館を早々に切り上げ、xochimilco(ソチミルコ)に向かう。同じプログラムで来ている方が数名、たまたまxochimilcoに行くことになっていたらしく、現地で落ち合うことにしたのだった。


xochimilcoのセントロで待ち合わせ、日本人数名とほぼ同数のメキシコ人から成る一行は、xochimilcoの代名詞とも言える手漕ぎの遊覧船が並ぶ船着場へと向かった。


スペイン軍に征服されるまでこの地で栄華を極めたのがアステカ帝国であるが、その首都であったテノティトラン(現在のメキシコシティ)の大半は湖であった。エルナン・コルテス率いるスペイン軍によって征服された後にその多くは埋め立てられたのだが、xochimilcoには未だに湖が残っており、当時の面影を現代に伝える。


通常は船上でビールを飲んだり何か食べたりする(らしい)のだが、この日はぼんやりと船に揺られながら皆で話すだけで、そうこうしているうちに元の船着場に戻ってきてしまった。時間も時間、腹は空き、喉は泡立つ茶色の液体(笑)を求め始めたため、近くのレストランへと移動し夕食を取ることになった。


UNAM(メキシコ国立自治大学)で何か死者の日の催しがあると聞いていたため、夜はUNAMに行こうと考えていたのだが、一緒にいた皆さんもUNAMへ行くとのことなので、引き続き同行させて頂くことにした。