プレゼント・フォー・マイセルフ


メキシコでは今、四連休の真っ只中である。昨日今日は土・日、明日明後日は「死者の日」*1という祝日だからである。


地方から来ている学生の多くは実家に帰っているそうだ。同じプログラムで来ている方の大半はこの休みを利用して旅行に出かけているらしいが、ご覧の通りこうしてキーボードをパチパチ叩いている私はメキシコシティに残ったままである。別に旅行に行っても良かったのだが、種々の理由で今回は見送ることにした。


理由と言ってもつまらないものである。集団行動が苦手で笑、旅行に行くなら一人か気心の知れた数人で行きたい、という我が儘な事情。学期末と来年の初夏に大旅行を計画しているのだが、何分家賃が高いためあまり資金が貯まっていない、という金銭的理由。また、来月半ばに数人と近隣の都市に遊びに行く予定なので、その辺りのバランスを考えて、という事情。どれもこれも取ってつけた様なものである。本音を言えば、誕生日くらいゆっくりしたい、ということだ。


とは言え、(ホントに我が儘だが笑)家でダラダラするのも嫌なので、買い物に出かけることにした。行き先は先日COLMEXで一緒の方に連れて行ってもらったPERICOAPAという雑貨市(?)の様な所とその向かいにあるGALERI'A COAPAというplaza(プラサ、モールの様なところ)。


スニーカーの汚れについては以前書いたが、今では底が多少痛んできていて、そろそろ寿命かな、と思っていたところだった。誕生日だし、ちょっと買い物でもするか、という気分でもあったので、まずはPERICOAPAでスニーカーを探した。


以前に一度来ていたので品揃えについては大体把握済みであった。また、その多くは正規の商品ではない、つまりは偽物である、ということも了解済みであった笑*2


買ったスニーカー(ちなみにメキシコではスニーカーをtenis(テニス)と呼ぶ)は、数年前の発売直後に買い愛用していたアディダスのSS2G(スーパースター2G)「もどき」。つくり自体はそれなりで耐久性も良さそうだが、中敷はない(大抵はここにブランドネーム等が入る)し、SS2Gというロゴが入っているはずなのにそれもなく、挙句の果てにソール(靴底)にはADIDASロゴの他に製造元らしき会社名がしっかりと入っている笑。


偽物を履くのもどうか、とは思うが、しょっちゅう歩かなければならないためにスニーカーはすぐに駄目になってしまうので、ちょっとケチった。私の記憶によると、本家は一万円以上するはずだが、今日買ったものは650ペソ(約6500円)。目をつぶるところはつぶらねばならない笑。


しかし、この偽物スニーカーだけではちょっと寂しいので、余った「軍資金」でCDを一枚購入する(こういう出費を抑えれば旅の資金はすぐに貯まるはずである)。収穫は、GOOD CHARLOTTEの新譜である"THE CHRONICLES OF LIFE AND DEATH"。それ程私は彼等のファンというわけでもないのだが、MTVで新曲のPVが流れていたので、何となく買ってみようという気になった。ちらっと聞いた限り、まぁ普通、といったところだろうか。ちょっとポップ過ぎる気がしないでもないが。


話は大きく矛盾するが、ことCDに関しては、地下鉄の駅前で堂々と売られているpirata(ピラータ、海賊版)を買う気にはならない。まがいなりにも音楽に携わった経験があるので、アーティストの権利というものを考えるとどうしても気が引けるのである。それならばシューズメーカーには何も感じないのか、と言われれば返す言葉もないのだが。pirataは再生機器に支障をきたす場合があるらしくそちらの方に対する危惧もあって、兎に角、正規版を買う様にしている(値段の差はかなりあり、正直イタイのだが)。

*1:正確には、十一月一日:諸聖人の日、二日:死者の日、となっているらしいが、雰囲気的には両日とも死者の日という感じである。

*2:日本では偽物の売買は売り手側も買い手側も罰せられる様に記憶しているが、その辺りは経済格差等を考慮の上、大目に見て頂きたい。