Carlos Alba教授との出会い


十分なインセンティブはありながら、一年を見通すとマイナスになるかもしれない。一つ目の講義に対する複雑な思いを抱えたまま、次の日の"Desarrollo econo'mico y social de Me'xico"に出る。


テーマがテーマなだけに、こちらの方が「本命」であったことは言うまでもない。実際に初回の講義に出席したところ、予想を超えるものであった。


何よりも担当のCarlos Alba教授の授業スタイルが魅力的だ。膨大な参考文献のリストは配るのだが、前日の講義の様にそれを毎回の課題とするのではなく、授業では主にディスカッションを中心にし、問題をクラス全体で掘り下げていく。書籍から知識を得るだけではなく、そこから一歩も二歩も進んだところを目指す。扱うテーマも、グローバリゼーションが開発に与えるインパクト、インフォーマルセクター等、私の興味関心にも合致している。言うことなしとは正にこのことではないだろうか。


それに加えて、Carlos Alba教授の人柄にも大いなる魅力を感じる。スペイン語も聞き取りやすく、八割方(話が込み入ってくると六割程度にまで落ちる)は聞き取れる。


Carlos Alba教授と出会い、自らの研究テーマに対する意欲が更に湧いてきた。そしてこちらに本腰を入れるために、前日の"Introduccio'n a las ciencias sociales"は取らないことに決める。後ろ髪を引かれる気はするが、両方共中途半端になるよりは初めから一つに絞ったほうが得るものは大きいだろう。