メキシコ到着


かれこれ一週間前に遡るが、メキシコでの生活が始まった。


扉が開きっぱなしのペセロ(中型のバス)、大通りでもお構いなしにUターンをするシティオ(正規のタクシー)、気さくに声をかけてくる路上のタコス屋の人達、通りで何かブツブツ言いながら恵みを求めるインディオの末裔と思われる人たち、"Buenas, amigo!"と声をかけてくる陽気なレストランのウェイターや掃除のおばさん―。何もかもがリアルで、混じりっ気がない。


デジタル機器がいくら発達しても、完全なリアルさを提供することは不可能である。どこか違和感を感じていた一週間前とは一転し、今は生のメキシコを体中で感じている。