小田嶋隆『テレビ標本箱』


と言うことで、最近読んだ本についてでも。


コラムニストである著者の、週刊誌での連載をまとめたのがこの本。週刊誌の類を読まない自分の様な人間にとってはありがたい一冊です。和田アキ子から某ボクシング世界チャンピオンまで、ブラウン管の中の人達を痛快に斬りまくってます。最後の院試の面接で凹ませられ、傷ついたままぶらっと入った本屋で即買いし、中央線で読み始めたんですが、最寄り駅に着く頃にはニヤけ顔になってました(電車の中で声出して笑いそうになりました)。


あまり小田嶋さんのことを知らない人が読んだら、「この人、結局はテレビ批評のネタをネット(≒某巨大掲示板)から拾ってきてるだけでしょ?」と思うかもしれません。が、昔から書かれていた日記サイトとブログをまとめた本(『イン・ヒズ・オウン・サイト』)を読むと、小田嶋さんの「芸風」が某巨大掲示板からの影響ではないことが分かると思います(それにネットでよく見る論調と必ずしも一致してないんですよね、小田嶋さんの論理展開って)。レトリックの多様さとか、ホントにハマります。


ただ、これは批判でも何でもないんですが、自分もこういう本を好き好んで読むようになったんだなぁ、という、感慨というか、そういうものを感じちゃいましたw。その昔、本なんか殆ど読まずに荒野を駆け回りw、テレビが絶対的な権威で、あらゆるものを殆ど無条件に受け入れていた頃には、考えられなかったと思います。生意気ですが歳喰ったなぁというカンジw。


そんなこんなで、オススメの一冊です。『イン・ヒズ〜』もオススメです。


テレビ標本箱 (中公新書ラクレ (231))

テレビ標本箱 (中公新書ラクレ (231))


イン・ヒズ・オウン・サイト ネット巌窟王の電脳日記ワールド

イン・ヒズ・オウン・サイト ネット巌窟王の電脳日記ワールド